京都でいちばん「京都らしい」景色として思い浮かべる人も多い、伏見稲荷大社の千本鳥居。朱色の鳥居がすき間なく続くトンネルは、テレビや写真で見たことがある方も多いと思います。
この記事では、2022年11月に伏見稲荷大社を歩いたときの写真とあわせて、伏見稲荷大社の歴史、千本鳥居ができた理由、楼門や山の中の小さな鳥居の見どころ、アクセスをまとめました。
神社の情報は、伏見稲荷大社の公式サイトと文化庁の「文化遺産オンライン」で確かめています(2026年10月29日確認)。写真は2022年11月のものなので、今の様子とは違うところがあるかもしれません。
伏見稲荷大社とは?全国の「お稲荷さん」の総本宮
伏見稲荷大社は、京都市伏見区にある神社です。全国に約30,000社あるといわれる稲荷神社の総本宮で、「お稲荷さん」として親しまれています。
公式サイトによると、ご祭神が稲荷山に鎮座したのは、奈良時代の和銅4年(711)2月の初午(はつうま)の日です。神社の後ろにそびえる稲荷山は「稲荷信仰の原点」とされていて、千本鳥居もこの山へ向かう参道に並んでいます。
1,300年をこえる歴史のある神社なので、境内には古い建物も残っています。文化遺産オンラインを見ると、楼門のほか、奥宮・権殿・外拝殿・白狐社・南北廻廊などが国の重要文化財に指定されています。
楼門|朱色の大きな門と狐の像

石段の上に立つ伏見稲荷大社の楼門。左右に狐の像が置かれています。
表参道を進むと、最初に目に入るのが朱色の大きな楼門です。文化遺産オンラインによると、今の楼門は天正17年(1589)に再建されたもので、2階建ての門の形(三間一戸楼門)に、入母屋造・檜皮葺(ひわだぶき)の屋根がのっています。国の重要文化財です。
この楼門は、豊臣秀吉が寄進したものだとも伝わっています。
門の左右には、狛犬ではなく狐の像が置かれています。公式サイトでは、稲荷大神のお使い(眷族)は狐とされています。ただし、野山にいる狐のことではなく、お使いも神様と同じように目には見えない存在だと説明されています。境内のあちこちで狐の像を見かけるのは、このためです。
千本鳥居の歴史|なぜ鳥居がこんなに並んでいるのか

千本鳥居の入り口付近。奥に「千本鳥居は右側通行です」「帰路」の案内が下がっていました(2022年11月)。
本殿の奥から稲荷山へ向かう参道に入ると、朱色の鳥居がすき間なく続く千本鳥居が始まります。
鳥居がこれほど多く並んでいる理由について、公式サイトでは次のように説明しています。願い事が「通る」、あるいは「通った」お礼の意味から、鳥居を感謝のしるしとして奉納することが江戸時代以降に広がった結果だそうです。
「千本」と呼ばれていますが、公式サイトによると、今は約1万基の鳥居がお山の参道全体に並んでいます。千本鳥居は、その中でも鳥居がとくに密に並ぶ入り口の部分です。

鳥居が重なって、朱色のトンネルのようになっています。
訪れたときは、千本鳥居の中は右側通行の案内がありました。道はせまいので、立ち止まって写真を撮るときは、後ろから来る人に気をつけたいところです。
私が訪れた時は夕方で、観光客は少ない時間でした。もし狙うのであれば夕方とかの時間が見やすいと感じます。ただしこれは訪れた時の話なので今はどうなのかはわかりません。
鳥居に書かれた文字|「奉納」と、奉納した人の名前

朱色の鳥居の間に、苔むした石の鳥居がはさまっている場所もあります。
鳥居の柱をよく見ると、黒い字で「奉納」と書かれています。朱色の木の鳥居が続く中に、苔むした石の鳥居がまじっている場所もあり、奉納された時代や形がそれぞれ違うことがわかります。

柱には、奉納した会社や人の名前・住所が書かれています。
稲荷山の参道を進むと、鳥居の柱に奉納した会社や人の名前、住所が書かれているのが見えてきます。京都の外からも鳥居が奉納されていることが、柱の文字からわかります。
鳥居の奉納は今も受け付けています。公式サイトによると、申し込みは社務所(管理課)のほか、稲荷山の茶店でも取り次いでいます。鳥居の大きさごとの初穂料も公式サイトに載っているので、気になる方は公式サイトで確かめてください。
山の中のお塚と小さな鳥居

石の鳥居の額には「福繁大神」「大岩大神」「白王大神」の名前。奥には小さな朱色の鳥居がたくさん供えられています。
千本鳥居を抜けて稲荷山の中へ入ると、雰囲気が少し変わります。木々に囲まれた斜面に、神様の名前を刻んだ石や小さな祠が、石段に沿っていくつも並んでいます。こうした石は「お塚」と呼ばれています。公式サイトのよくある質問では、お塚は「稲荷大神様に別名をつけて信仰する人々が、石にそのお名前を刻んで、お山に奉納したもの」と説明されています。
写真の石の鳥居には、「福繁大神」「大岩大神」「白王大神」と3つの神様の名前を書いた額がかかっていました。祠の前には、手のひらにのるくらいの小さな朱色の鳥居がたくさん供えられています。大きな鳥居だけでなく、こうした小さな鳥居にも、奉納した人の名前が書かれています。
境内で出会った猫

石の灯籠の下で、お皿のごはんを食べるぶち猫。

月桂冠の酒樽や小さな鳥居が供えられた祠の前に、白黒の猫がいました。
稲荷山を歩いていると、祠のそばで猫に出会いました。月桂冠の酒樽や賽銭箱、小さな鳥居が並ぶ祠の前で、お皿に入ったごはんを食べていました。2022年11月の関西旅行記1日目京都編でも、伏見稲荷大社の猫のことを書いています。
祠はお参りの場所なので、猫を見かけてもそっと見守るようにしたいですね。
神社内には多くの猫と出会う事ができます。人懐っこい猫もいれば、人が苦手な猫もいます。
夕方の参道

帰り道。石柵が並ぶ参道が、西日でオレンジ色に染まっていました。
稲荷山からの帰り道は、石柵と祠が並ぶ下り坂の参道になっていました。訪れたのは夕方で、木々の間から西日が差しこんでいました。
夕方に訪れたのですが、また違った風景を見る事ができるので、夕方に訪れるのもおすすめです。
伏見稲荷大社へのアクセス
公式サイトに書かれている行き方です(2026年10月29日確認)。
| 交通手段 | 行き方 |
|---|---|
| JR | JR奈良線「稲荷駅」下車、徒歩すぐ(京都駅から5分) |
| 京阪 | 京阪本線「伏見稲荷駅」下車、東へ徒歩5分 |
| 市バス | 南5系統「稲荷大社前」下車、東へ徒歩7分 |
- 住所:京都市伏見区深草薮之内町68番地
- 車の場合:公式サイトでは、大社の駐車場のまわりの道路は大変混雑すると案内されています。参拝以外の駐車はできません。また、12月30日から1月6日までは境内の駐車場が閉鎖されます。
JR稲荷駅を出るとすぐに表参道なので、電車で行くのがおすすめです。京都駅から近いので、清水寺など京都市内のほかの観光地と組み合わせやすい場所です。清水寺については、清水寺の歴史と見どころと清水寺へのアクセスの記事で紹介しています。
参拝の前に知っておきたいこと
- 参拝の時間と料金:公式サイトのアクセス・よくある質問のページには書かれていませんでした。
- 千本鳥居は右側通行の案内がある:2022年11月に訪れたときは「千本鳥居は右側通行です」という案内がありました。
- 稲荷山は山道:千本鳥居の先は石段の多い山道です。歩きやすい靴で行くのがおすすめです。
- 祠やお塚はお参りの場所:写真を撮るときは、お参りしている人のじゃまにならないようにしましょう。
よくある質問
千本鳥居の鳥居は本当に千本ですか?
公式サイトによると、鳥居は約1万基あり、お山の参道全体に並んでいます。千本鳥居は、その入り口にあたる鳥居がとくに密に並んだ部分です。
なぜ伏見稲荷大社には鳥居がたくさんあるのですか?
願い事が「通る」、あるいは「通った」お礼として、鳥居を奉納する習慣が江戸時代以降に広がったためです(公式サイトより)。
伏見稲荷大社の最寄り駅はどこですか?
JR奈良線の稲荷駅です。駅を出てすぐのところに参道があり、京都駅から5分です。京阪本線の伏見稲荷駅からは東へ徒歩5分です。
伏見稲荷大社と京都の名所を回るなら、京都市内に泊まるのが便利です
伏見稲荷大社はJR稲荷駅からすぐで、京都駅から電車で5分です。京都市内に泊まれば、清水寺などほかの観光地と組み合わせて、ゆっくり回れます。
まとめ
伏見稲荷大社は、和銅4年(711)に始まるとされる、全国の稲荷神社の総本宮です。千本鳥居は、願い事が「通った」お礼として江戸時代以降に奉納されてきた鳥居が重なってできた景色で、今では約1万基の鳥居が稲荷山の参道に並んでいます。
天正17年(1589)に再建された楼門、柱に書かれた奉納の文字、山の中のお塚と小さな鳥居など、鳥居のトンネルのほかにも見どころがたくさんあります。JR稲荷駅からすぐなので、京都観光の途中にもぜひ立ち寄ってみてください。
参考・確認した情報(2026年10月29日確認)
- 伏見稲荷大社とは|伏見稲荷大社 公式サイト
- よくある質問|伏見稲荷大社 公式サイト
- 交通アクセス|伏見稲荷大社 公式サイト
- 鳥居奉納のご案内|伏見稲荷大社 公式サイト
- 文化遺産オンライン「伏見稲荷大社 楼門」

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