札幌の中心部から東へ、野幌森林公園の中にある北海道開拓の村は、明治から昭和初期に北海道の各地で建てられた建物を移築・再現した野外博物館です。
役所の洋館、商家、そば屋、旅館、医院などが通りに沿って並び、その真ん中を馬車鉄道が走っています。この記事では、2024年9月に訪れたときの写真とあわせて、村の見どころと回り方、料金・開村時間・アクセスを紹介します。
※料金・時間などは、2026年10月23日に公式サイトで確認した内容です。行く前に最新の情報を確かめてください。
北海道開拓の村とは
北海道開拓の村は、1983年4月に開村した野外博物館です。敷地は54.2ヘクタールあり、村内マップには52の建物が番号つきで載っています。
建物は、大きく4つの地区に分かれています。
- 市街地群:札幌・小樽・旭川などの官庁、店、住宅、学校
- 漁村群:ニシン漁に関わる倉や漁家の住宅
- 農村群:駅逓所、屯田兵屋、農家の住宅や倉庫
- 山村群:森林鉄道の機関庫、造材飯場、炭焼小屋
入口は、明治41年(1908年)に建てられた札幌停車場(札幌駅)を4/5の大きさで再現した建物です。ここを抜けると、市街地群の通りが始まります。

入口を抜けた先の通り。真ん中に馬車鉄道の線路が通っています。
旧開拓使札幌本庁舎と開拓使の役所
旧開拓使札幌本庁舎(ビジターセンター)
通りに入ってすぐ目に入るのが、白い壁と緑の窓枠、屋根の上のドームが目立つ旧開拓使札幌本庁舎です。
明治政府は明治2年(1869年)に北海道の政治の中心を札幌に定め、明治6年(1873年)10月にこの本庁舎が完成しました。もとの建物は明治12年(1879年)に火事で焼けてしまい、今ある建物は再現したものです。村ではビジターセンターとして使われています。

旧開拓使札幌本庁舎(再現)。今はビジターセンターになっています。
洋風の建物と木造の建物が一緒に展示されているが見えて、北海道は木造から洋風の建築が取り入れられてきた時代なんだと感じます。
旧開拓使工業局庁舎(国の重要文化財)
本庁舎から通りを進むと、緑の玄関飾りが付いた旧開拓使工業局庁舎があります。明治10年(1877年)の建物で、開拓使の庁舎として残っている唯一のものです。2013年8月7日に国の重要文化財に指定されました。
開拓使工業局は、道路や橋、役所、学校を建てたり、いろいろな製品を作ったりした役所です。もとは札幌の大通東2丁目にありました。

旧開拓使工業局庁舎。明治初めの洋風の事務所の建物です。
旧浦河支庁庁舎
赤い屋根と淡いピンクの壁の洋館は、旧浦河支庁庁舎です。大正8年(1919年)に、地元と道庁の費用で浦河町に建てられました。昭和7年(1932年)に日高支庁と名前が変わり、昭和31年(1956年)に浦河町へ払い下げられたあとは、会館や博物館として使われていました。
建物の前の標柱には「浦河郡浦河町大字浦河村」と書かれていて、もとの場所が分かるようになっています。

旧浦河支庁庁舎。前の標柱に、もとの所在地が書かれています。
小樽の鉄道とつながる旧手宮駅長官舎
板張りの2階建ては、旧手宮駅長官舎です。明治17年(1884年)に、幌内鉄道の職員の官舎として小樽の手宮に建てられました。同じ形の建物が6棟あり、これは「手宮宿舎5号」と呼ばれていました。骨組みや上げ下げ窓に、洋式の作り方が使われています。
手宮は、北海道の鉄道が始まった場所です。今は小樽市総合博物館 本館になっていて、昔の車両を見ることができます(小樽市総合博物館 本館|北海道鉄道発祥の地で出会う50両の車両たち)。

旧手宮駅長官舎。左の案内板に、建物の説明があります。
村の建物の多くは、中に上がって見学できます。畳の座敷や縁側に、当時の家具や道具が置かれている建物もあります。

建物の中の座敷。縁側には籐の椅子が置かれていました。
商家・そば屋・旅館が並ぶ市街地群
通りの奥へ進むと、役所の洋館から、商店や住まいが並ぶ町の風景に変わっていきます。
旧大石三省堂支店(帯広の菓子店)
「大石三省堂支店」の看板がかかる小さな店は、帯広の菓子店です。札幌の菓子店で修行した大石泰三が、大正14年(1925年)に帯広の電信通りで菓子の製造と販売を始め、親子2代で昭和30年(1955年)まで営業しました。

旧大石三省堂支店。窓からガラスの瓶が見えます。
店の中には、ガラスのケースやブリキの箱に、昔の菓子が並べられていました。

ガラスケースとブリキの箱に並ぶ菓子。
旧三〼河本そば屋(小樽)
「そば」の大きな看板と、レンガの煙突が目立つのが旧三〼河本そば屋です。明治18年(1885年)ごろに石川県から小樽へ移り住んだ河本徳松が、そば屋で修行したあとにのれんを継いで建てた店です。小樽の町でも特ににぎわった場所にあり、食事や宴会に使われていました。主屋は明治42年(1909年)ごろの建物です。
小樽の町の歴史は、小樽運河の歴史とは?なぜ作られたのかを徹底解説でも紹介しています。

旧三〼河本そば屋。2階の大きな窓と、1階の格子が特徴です。
旧来正旅館(旭川・永山)
「待合旅館」の大きな看板がかかる建物は、旧来正旅館です。屯田兵として旭川の東永山に入った来正策馬が、退役後の明治31年(1898年)に永山駅の前で待合所を開きました。大正7年(1918年)の大水で被害を受け、翌年の大正8年(1919年)に旅館と待合所をかねた建物として建て直しています。

旧来正旅館。駅前の待合所をかねた旅館でした。
【ユーザーの言葉:市街地群の建物の中で、印象に残った展示や見どころ(例:菓子店の中、そば屋や旅館の中の様子、座敷に上がってみた感じ)】
村の中を走る馬車鉄道
開拓の村の名物が、馬が客車を引いて線路の上を走る馬車鉄道です。冬は馬車鉄道のかわりに馬そりが走ります。
2026年の時刻表では、運行は4月11日から11月末まで(休村日をのぞく)で、旧札幌停車場の前とソーケシュオマベツ駅逓所の前のあいだ、約500メートルを約5分で走ります。料金は15歳以上が1回250円3歳から14歳まではは100円(現金のみ)、1便の定員は10人です。雨や雪がひどいときは運休することがあります。

馬車鉄道の客車。通りの線路を走ります。

客車を引く馬。線路のすぐ横を歩いていきます。
料金・開村時間・アクセス
開村時間と休村日
| 期間 | 開村時間 | 休村日 |
|---|---|---|
| 5月〜9月 | 9:00〜17:00(入村は16:30まで) | なし |
| 10月〜4月 | 9:00〜16:30(入村は16:00まで) | 月曜日(祝日・振替休日のときは翌日)、12月29日〜1月3日 |
さっぽろ雪まつりの期間中は、月曜日も開いています。
入村料
- 一般・大学生・高校生:1,000円
- 無料:中学生以下、65歳以上、障がい者手帳を持っている人
- 高校生は、土曜日・こどもの日・文化の日などは無料
- 道内に住んでいる人(証明できるものが必要)は800円、10人以上の団体は割引があります
- 近くの北海道博物館との共通券や、年間パスポート(1,800円)もあります
団体料金や共通券の金額は、公式サイトの「ご利用案内」で確かめてください。
アクセス
- 住所:札幌市厚別区厚別町小野幌50-1
- バス:JR「新札幌」駅・地下鉄東西線「新さっぽろ」駅から、新札幌バスターミナル北レーン10番乗り場のジェイ・アール北海道バス「開拓の村」行きで約20分、終点下車
- 車:無料駐車場(400台)があります
回り方のポイント
公式サイトのよくある質問では、ゆっくり見て回るなら2時間以上、建物の外観とおもな場所だけなら1時間ほどが目安とされています。4つの地区は通りでつながっているので、入口に近い市街地群から順に回り、帰りに馬車鉄道を使うと歩く距離を減らせます。
- 4月中旬から10月末まで(11月〜12月は土日祝日)は、無料のボランティアガイドツアーがあります。入口の旧札幌停車場の中の総合案内で、見学コースを教えてもらえます
- 食事は、入口の近くに「開拓の村食堂」があります
- 同じ野幌森林公園の中に北海道博物館があり、共通券で両方を回ることもできます
北海道開拓の村へは、札幌に泊まると回りやすいです
北海道開拓の村は、新札幌のバスターミナルからバスで約20分の野外博物館です。ゆっくり見るなら2時間以上が目安なので、札幌に泊まれば、近くの北海道博物館や小樽とあわせて回る計画も立てやすくなります。
まとめ
北海道開拓の村は、北海道の各地から集めた明治〜昭和初期の建物を、通りを歩きながら見て回れる場所です。開拓使の洋館、小樽のそば屋、帯広の菓子店、旭川の旅館と、それぞれの建物に、もとあった町の歴史があります。
実際に歩いて見学してかかった時間は2時間弱ぐらいでした。見学もゆっくりまわっての時間なのでそのぐらいだと思います。
札幌から小樽へも足をのばすなら、小樽の記事もあわせてどうぞ。
参考・確認した情報(2026年10月23日確認)

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